コロナ禍後、初の対面練習 「昔のように集まって」 ラグラグ会

 歌を通じてインドネシアとの文化交流を図る混声合唱団「ラグラグ会」が20日、中央ジャカルタのジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)スナヤンセンターで、新型コロナ禍以降初となる対面での練習会を行った。
 ラグラグ会で指揮者として歌唱指導を行ってきた中村征夫氏が2020年に死去。リーダー的存在を失ったことに加え、新型コロナ禍の影響でほとんどの会員が日本に帰国し、対面練習が行えない状況に陥っていた。
 オンライン会議サービス「Zoom(ズーム)」を用いた練習を行っていたが、ようやく会員数は10人を超えるようになり、待望の対面練習が復活した。
 この日の参加者は7人で、国民歌「インドネシア・プサカ」やマルク地方の民謡「ラサ・サヤンゲ」などを歌った。練習を終え、講師のメガワティ氏(60)は、「Zoomなら遠隔地からも参加できるし、一人一人と向き合い改善点を治せるという利点もあるが、対面の方がスムーズに練習できる。何よりみんなで歌える」と述べた。
 昨年9月にラグラグ会の事務局長に就任した中村典史氏(66)は昨年5月から国立インドネシア大学の講師として赴任。以前も1995年から97年まで歯科医として駐在しており、この日は30年前に作った同会のユニフォームを着て気合を入れた。
 中村氏は「ラグラグ会は、歌を通して現地の人と親しくなれるコミュニケーションツール」と強調。「インドネシアで楽しいことを通してできた縁は帰国しても切れない」として、縁があるからこそ自分が今、再びラグラグ会に関わっていると語った。
 2度目の赴任にあたり、帰国者らが集う日本の東京ラグラグ会から「本部を盛り上げて欲しい」と頼まれたという中村氏。「昔のようにメンバーが気軽に集まり、楽しみながら現地文化に触れる機会を作りたい」という思いで同会の再建に臨んだという。
 当面の課題は、対面での定期練習を軌道に乗せ、会員数を増やすこと。また、東ジャカルタのタマンミニ・インドネシア・インダ(TMII)で6月29日〜7月8日に開催される夏祭りに向け練習していく。(山本佑、写真も)

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