邦人2人が食と就活で講義 辻調グループ、赤門会日本語学校から インドネシア大学

 インドネシア大学(UI、西ジャワ州デポック市)の日本研究センターで4日、セミナー「日本文化とビジネスについて」が開かれ、辻調グループの久保昌弘氏(58)と赤門会日本語学校の楳崎健一氏(49)が登壇した。対面とオンラインのハイブリッド形式で行われ、約110人の学生・教師が聴講した。
 2020年に同大で初講演した久保氏は、辻調グループフランス校の運営部長を長く勤め、日仏経済交流会理事も担当。セミナーでは「アフターコロナでの食の変容と復元」をテーマに、日本食の歴史や魅力を伝えた。
 久保氏によると、コロナ禍の影響で食のスタイルや労働環境が変容したことから、少人数の従業員で高品質な料理を提供することを目的に「おまかせ」メニューが世界中で広がったという。
 日本食は、歴史や文化、自然や四季を背景に発展。材料だけでなく食器や部屋の空間作り、窓からの風景が組み合わさった総合芸術と話し、これが人間の心のあり方に繋がると語った。
 また、日本は高級料理から庶民料理まで質が高く、衛生・丁寧さのレベルも高い。これは日本の食が世界に評価され、「おまかせ」が生まれる理由だとした。
 一方、同日本語学校で東南アジア地域のマーケティングを担当する楳崎氏は、留学生のための面接・エントリーシート対策について講義。履歴書の氏名・住所を書くときにルビ欄が「ふりがな」ならば平仮名で、「フリガナ」ならばカタカナで記入しなければならないこと。面接時の服装や髪型、お辞儀とあいさつは一動作にしないなど日本特有の〝就職活動ルール〟を伝えた。
 外国人にとってハードルの高い日本での就活。楳崎氏は「日本は留学生の目線に立った就活スタイルをとっていない。ボーダーレス化に日本企業がついていけず、グローバル基準と大きなかい離がある」と指摘する。(青山桃花、写真も)

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