「過去の日本と類似」 日本労働ペンクラブ インドネシア視察実施
労働分野を専門とするジャーナリスト、学者らで構成される日本労働ペンクラブが、インドネシアの経済労働状況を視察するため、2日来イした。
視察団14人は8日まで、日本で技術を学んだ研修生・技能実習生の現状や、日系企業が労使関係で直面する課題などを視察する。
3日には、ムハイミン・イスカンダル労働移住相や、最も活動的な労組インドネシア金属労連(FSPMI)のサイド・イクバル会長らと会談した。
4日、視察団は中央ジャカルタのジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)で、JJC労働問題委員会や日本貿易振興機構(ジェトロ)、人材紹介業を行うJACビジネス・センターから説明を受け、意見交換をした。
JJC側からは「部品の供給を滞らせるわけにはいかない2次、3次メーカーでは、組合の要求を受け入れざるを得ない状況があるのではないか」「現場では労使紛争が頻繁に起きており、何もできなくなってしまう」といった声が聞かれた。
労働評論家で、元読売新聞論説委員の久谷與四郎団長は、インドネシアの労働運動は歴史が浅く、大正時代の急進的な労働組合主義であるサンディカリズムや、終戦直後の労働運動との類似性が見られると指摘。日本の労働基準監督署のように、良好な労使関係の構築に向けて行政が環境整備を進めていくべきだと指摘した。(田村慎也、写真も)