約束果たす「日イの架け橋」 令和5年度在外公館長表彰 在メダン日本総領事館
田子内進駐メダン日本総領事は6日、北スマトラ州メダンの総領事公邸で、福祉友の会メダン支部顧問のジャムハリル・ウメダ氏に令和5年度在外公館長表彰を授与した。
ジャムハリル氏は、明治末期以降に渡来して亡くなった民間人やインドネシアの独立戦争で散華した元日本兵ら約300柱の遺骨・遺品を安置するメダン日本人墓地を維持・管理。1989年のメダン市と千葉県市川市との姉妹都市締結にも尽力し、高校生の相互訪問を支援してきた。
北スマトラ州柔道協会顧問も務めるジャムハリル氏は8月、在メダン総領事館と協力し、柔道日本総領事杯の開催を実現。メダンにおける柔道の普及に貢献するなど、日イ友好関係や理解促進への功績が称えられた。
授与式で田子内総領事は、「長年にわたり、当地における日系人社会の福祉向上に尽力され、市川市とメダン市の姉妹都市交流やスポーツ交流の促進のため、多大な貢献を行っており感謝の気持ちを伝えたい」とあいさつした。
一方、ジャムハリル氏は「若い頃日本に留学した際、『人のために働きなさい。インドネシアに戻ったら、両国の架け橋となれるように頑張りなさい』と言った祖母の言葉を思い出した。今、その約束を果たすことができて嬉しい」と感涙。受賞に際し、「留学中は1人で幼少の子どもを育て、その後の苦しい時代も支えてくれた妻に感謝したい」と語った。