【マニュファクチャリング・インドネシア特集】 日系企業は技術力の発信を ジェトロジャカルタ事務所長 髙橋正和氏
日本貿易振興機構(ジェトロ)は、2010年のマニュファクチャリングインドネシア(MI)からジャパン・パビリオンへの日本企業によるブース出展を誘致し、インドネシアでの販路拡大のサポートを行ってきた。6日の開幕に向けてジェトロ・ジャカルタ事務所の髙橋正和所長は、「展示会だからこそ、商品を手に取り、値段交渉もでき、企業の人となりを確かめることができる。日系企業にはこの機会を有効活用してほしい」と話す。
ジェトロでは2020年以降、日本からインドネシア進出を目指す日本企業に対するサポートから、軸足を現地法人を構える日系企業(2022年時点で1569社)の販路拡大サポートに移した。
ただ、日本企業からインドネシアでの事業に関する問い合わせは多く、ジャカルタ事務所の投資アドバイザーも対応に追われているという。企業にとってのインドネシアの魅力は人口ボーナスといわれる生産人口の多さ、市場のポテンシャルだ。
世界でも第4位の人口を抱え、東南アジア諸国連合(ASEAN)では最大の2億7000万人。そのうち生産年齢比率は69・3%、平均年齢は29・6歳。年間の可処分所得5000ドル以上の中間層が急速に増加しており、消費の拡大が顕著にある。
髙橋氏は「インドネシアの魅力は圧倒的に将来性にある」という。昔は電気や通信のインフラと言われたが、今は税制や外資優遇規制にある。インドネシアの雇用賃金は高いともいわれるが製造業ではタイよりも安い、非製造業ならタイ、ベトナムよりも安いのが実情だ。
インドネシアで開催される展示会で近年、中国、韓国企業の出展ブースが目立つことようになったことについて、髙橋氏は「インドネシアへの投資のステージが違う。日本はすでに進出して生産拠点を広げ、基盤を整えてきた」。インドネシア政府は日本に対し、まだ高い技術力とクオリティーに期待しているという。