首都移転見直しを公約 大統領候補・アニス氏 「予算は福祉へ」
次期大統領選に大統領候補として立候補したアニス・バスウェダン前ジャカルタ特別州知事は29日、首都をジャカルタから東カリマンタン州のヌサンタラ(IKN)に移転する計画を再検討する公約を掲げた。大統領選に自身が勝利した場合、「全面的に見直す」と述べた。
地元メディアによると、アニス氏は遊説先の西ジャワ州バンドン市で行った選挙キャンペーンで、「私が当選すれば、(首都移転に関する規制を)すべて見直すつもりだ」と言明。「財政予算は限られており、首都移転予算は発育阻害対応や健康保険といった国民の福祉に役立つ使い方をすべきだ」と訴えた。
首都移転計画をめぐっては、アニス氏は一貫して実現に懐疑的な見方を示しており、22日に中部ジャワ州ソロ市で行われた公開討論会でも、「IKNは新たな不平等を生み出す」と主張した。
アニス氏はこの中で、「経済の平準化を実現するためには、核となる都市を拡大することが重要。森の中に都市を建設することではない」と述べ、計画を痛烈に皮肉った。
アニス氏とペアを組む副大統領候補のムハイミン・イスカンダル氏も26日、「IKN開発の拠点はまだ住める場所はない」と主張。ただ、陣営内で議論を続ける考えも示した。
これに対しジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は訪問先の東ジャカルタで29日、首都移転法案はすでに国会で可決されており、「意見を出すのは自由だが、すでに法律的な根拠がある」と反論した。