X線回診車102台を病院提供 政府開発援助 富士フイルム
富士フイルム(本社・東京都港区)は22日、保健省を通じてX線回診車102台を全国38州の病院に提供した。日本の政府開発援助(ODA)によるもので、保健省が指定した医療施設に配置される。同日、西ジャカルタのハラパン・キタ病院で贈呈式が行われた。
ダンテ・サクソノ・ハルブウォノ保健副大臣はこの日の贈呈式で、「離島も含め全国の病院で利用できることに感謝したい」と述べた。
在インドネシア日本大使館の担当書記官によると、2020年7月にODAとして予算枠20億円を確保したが、コロナ禍の影響などで保健省の承認は22年10月にずれ込んだ。
富士フイルムメディカル事業部海外マーケティンググループODA案件担当の濱崎颯一郎氏によると、納入したX線回診車は他社製よりも軽量で押して運ぶことができ、少ない線量で鮮明な画像を得ることができる。
また、肺炎、結核などの診断をAI(人工知能)が10秒で診断してモニター表示する。また検査結果はデジタルデータで送信することも可能なため、へき地医療や病院間のデータ共有にも道を開くという。
2021年からインドネシア大学医学部が同型機の導入を始めており、他病院でも導入に向けた検討が進んでいる。(坂田恵愛、写真も)