ジョクジャ・ジャパン・ウィーク開幕 古都最大、日本の祭典 中心部に真っ赤な鳥居

 2010年の京都ジョクジャカルタ姉妹提携25周年行事の一環として始まったジョクジャカルタ日本祭り(ジョクジャ・ジャパン・ウィーク)が5日、開幕した。8日まで開催。観光客でにぎわうジョクジャカルタの目抜き通り、マリオボロ通りに日イ友好のシンボルとして鳥居を設置。ジョクジャカルタ国立美術館を中心会場に展示や公演、ワークショップなどが行われ、古都ジョクジャで開かれる日イ文化交流イベントとしては最大規模になりそうだ。

 鳥居が設置されたのは、大統領宮殿(グドゥン・アグン)前のマリオボロ通り南端。インドネシア独立直後の1946年、暫定的に首都が置かれたジョクジャカルタで、スカルノ初代大統領が居住した由緒ある宮殿と独立戦争記念碑のある市の中心部。高さ5メートルを超える真っ赤な鳥居を珍しげに見ながら、車やオートバイ、ベチャ(三輪人力車)が通り抜けていく。
 中心会場の国立美術館入り口には、「祭」の文字が印刷された大きなのれんが掲げられた。七夕に合わせて竹が設置され、短冊に願い事を書く若者も。敷地内には日本食などを販売する店が並ぶ。
 館内は「春夏秋冬」をテーマに部屋ごとに装飾を施した。コスプレファンも多い実行委員の若者たちが工夫し、冬の部屋には雪だるまを設置、記念撮影する来場者が相次いだ。
 また、京都とジョクジャカルタの織物職人たちの技術協力グループ「てこらぼ」(テクノロジー・コラボ)や京都の「みやび流押絵」が作品を展示。文化を通じて両都市が進めてきた交流を知ることができる。

■共通する文化
 開幕式には、ジョクジャカルタ特別州知事のハメンクブウォノ10世、鹿取克章・駐インドネシア日本大使夫妻、10世の次女チョンドロキロノ王女、五女ブンドロ王女らが出席。
 鹿取大使は冒頭のあいさつで「ジョクジャカルタでは、教育や文化などの分野で日イの市民交流が盛んに行われている」と指摘。日イ国交樹立50周年を祝った2008年には、日イ友好年の名誉総裁を務めた秋篠宮さまと紀子さまがジョクジャカルタを訪れたことに触れ、京都との姉妹都市提携などを通じ、日本との交流をさらに深めていってほしいと語った。
 ハメンクブウォノ10世は、両国の歴史を振り返りながら「21世紀はアジア太平洋の時代。日本との友好関係をさらに強化していきたい」との意欲を表明。「ジョクジャは首都にもなったことのある古都で、教育と文化の町、平和の町でもある」「ジョクジャより古い歴史を持つ京都と姉妹都市を提携し、この27年間、さまざまな分野で多くのことを学んできた」と述べ、「礼に始まり、礼に終わる」などの日本語を列挙、日本とジャワでは共有する文化がたくさんあると強調した。
 続いて、インドネシア各地で講習会などを開催している日本舞踊家の蓮田愛さんと、インドネシアを代表する舞踊家ディディック・ニニ・トウォックさんが共演。日本とジャワが共有する羽衣伝説をテーマに、華麗な踊りを披露した。
 同日夕には、ASEANプラス3(東南アジア諸国連合と日中韓)教育相会合と、東アジアサミット(EAS)教育相会合に出席するため、ジョクジャ訪問中の平野博文文部科学相が国立美術館を訪れた。

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