被災地支援に貢献 旭日重光章 クントロ元アチェ・ニアス復興庁長官
南ジャカルタの日本大使公邸で27日、令和5年春の叙勲で旭日重光章を受章したクントロ・マンクスブロト元アチェ・ニアス復興庁長官の勲記・勲章の授与式が開かれた。両国で発生した震災やその復興を通じ、日イ関係強化に寄与した。勲記・勲章は、金杉憲治駐インドネシア日本大使から手渡された。
クントロ氏は、2004年12月、また05年3月に発生したスマトラ島沖地震および津波による甚大な被害を受けた被災地の復旧・復興のため、4年にわたりアチェ・ニアス復興庁長官を務めた。在任中は、日本政府などからの支援受け入れにも対応した。
11年に起きた東日本大震災では、開発監査規制大統領作業部会の会長を担当。対日支援の司令塔として被災地に対して、人道支援チームの派遣や物資支援・義援金の提供などを実現した。
このほかクントロ氏は、アチェ・ニアス復興庁解体後、同庁の職員が中心となって設立した非政府組織(NGO)のアチェ・ニアス復興再建協会会長に就任。東日本大震災発生直後となる3月27日のカーフリーデーでは、中央ジャカルタ・タムリン通りにある在インドネシア日本大使館前でチャリティーイベントを開催。縦4㍍、横3㍍の純白の布に道行く市民が赤の水性インクで手形を押し当て、日の丸国旗を描いた。被災地だけでなくインドネシアに住む在留邦人をも励ました。
金杉大使は授与式で「クントロ氏の努力は日本で世代を超え記憶されているだろうことを強調したい」とあいさつした。
クントロ氏は、日本とゆかりのあるインドネシア人の1人として、6月に来イされた天皇皇后両陛下が接見された。(青山桃花)