友好強化や理解促進に寄与 個人8人へ授与 令和5年度在外公館長表彰

 在インドネシア日本大使館は15日、日イ両国の友好強化や理解促進などに貢献した人に授与する令和5年度在外公館長表彰者を発表した。独立戦争を戦った元残留日本兵の子孫による組織「福祉友の会」の再興に尽力したマリコ・スルヤント氏や日本人ジャワガムラン楽団「スルヨララス・ジュパン」を主宰した故中野千恵子氏など個人8人が選出された。

 マリコ・スルヤント氏は、福祉友の会の今後を担う3世や4世の若い世代を対象とした支援活動に尽力し、活動の拡大にボランティアで貢献。同会の活動に助力した故小倉みゑ氏による日本語学校「ミエ学園」の基金責任者として日本語教育向上にも寄与した。
 マリコ氏は、インドネシア人の男性と結婚した日本人女性が集う「ひまわり会」の共同創設者でもあり、これらの活動を通じ、日イ友好の関係強化に寄与したことが認められた。
 2022年7月に逝去した中野千恵子氏は、伝統楽器のジャワガムラン楽団「スルヨララス・ジュパン」を主宰し、ガムランを通じて両国の交流に貢献したほか、インドネシアの月刊情報誌「Sarasa」の編集長を務め、在留邦人に向け国内文化などを発信した。
 また、バティックの復興事業などインドネシア文化を日本に紹介する交流事業を行った、異文化伝統工芸交流協会(CCAA)の伊藤ふさ美代表理事。歴史家で、戦前の日本も含めた日イ交流の歴史への理解促進に貢献したボニー・トリヤナ氏が受章する。
 このほか、インドネシア教育振興会の窪木靖信代表理事とインドネシア・スマラク教育財団のファディラ・ハシム理事長は、同会が設立した同財団が運営する幼稚園、小学校での環境教育や教員研修を通じ、両国の子どもたちの友好促進に寄与した。
 長年にわたり、日本からの要人往来や国際協力機構(JICA)事業など多岐にわたる機会で、インドネシア語通訳を担当した須田和代氏と沼澤麗氏も表彰者に決まった。(青山桃花)                  

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