切符確保に8時間 帰省ラッシュの「前哨戦」 国鉄24時間窓口対応

 例年帰省ラッシュが起きるレバラン(断食明け大祭)を前に、国鉄は首都圏4駅で2日から、チケットの24時間販売を始めた。各駅窓口前には、売り切れ前に切符を手に入れようと殺到した帰省予定者の行列ができ、数時間にも及ぶ持久戦に臨んでいる。
 今年のレバランは8月19日からとなる予定。混雑を防ぐため、国鉄は今年から24時間体勢を敷く。当面はスネン(中央ジャカルタ)、タナアバン(同)、コタ(西ジャカルタ)、西ジャワ州ブカシの4駅で予約を受け付ける。
 コタ駅(通常窓口時間午前7時―午後9時)では3日午後、約600人が長蛇の列を作った。列は庁舎内を蛇行しながら40メートル近くに達した。
 一つの窓口内では、3人ほどの職員が右往左往しているが、内容確認などに手間取っている様子で、1組の処理に要するのは5分前後。この時点で予約を済ませた人に聞くと、8時間以上待ったという。
 窓口まであと数メートルの位置で待つ人たちは、顔を左右にずらしながら、遅々として進まぬ前方の様子をうかがっている。後方では、列を離れて遊ぶ子どもも目立つが、前の方まで来ると一様にぐったりした様子で保護者に抱えられるなどしている。
 最後尾の100人ほどは床に座り込み、持久戦の構え。東ジャワ州クディリに里帰りするというヨアド・ザカリアさん(40)は「人が大勢いすぎて、待ち時間は読めないよ。10時間くらいかかるかな」と体力を温存する作戦だ。
 窓口まで残り30人ほどに迫ったアリアントさん(35)は「7時間も待ち続け、足がぱんぱんだよ」と、ふくらはぎをもんでいる。
 アリアントさんを含め、家族を代表して1人でやってきた人が多いが、長い待ち時間ですっかり周囲と打ち解けたという。旧知の仲のようにおしゃべりを楽しんでいる集団も目立つ。無事予約を終えた人たちは、晴れがましい表情で「戦友」に別れを告げて帰路に就いた。
 今年の帰省のピークは8月16日とみられている。運輸省によると、昨年のレバラン前後の期間には175万人が国鉄を利用した。

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