「インドネシアで就業する」 日本から就活ツアー 生活環境など自分の目で
経済成長を遂げるインドネシアへの日系企業進出が相次ぐ中、自身の可能性を広げようと、インドネシアでの現地採用就職を目指す人も増えている。海外就職を目指す人を支援する「グローバル人材塾」(本部・東京)は7日から10日の日程で、インドネシア就職現地視察ツアーを行っている。現役大学生から30代までの10人が参加し、ジャカルタの人材紹介会社などを回り、現地採用の求人案件や生活について情報を得ながら、就職の可能性を探っている。(堀田実希、写真も)
「グローバル人材塾」は、人材紹介会社のワーク・トラスト社と海外研修などを支援するウィッシュ・ウッド社、キャリア研修会社のパトリック・ジャパン社が共同運営。
パトリック・ジャパン社の田村貴志代表取締役によると、経済が停滞している日本よりも、経済成長が続く新興国で経験を積みたいという人が増えている。バンコクやシンガポールと比較すると、給与と物価のバランスや運転手付き自動車の使用、アパートでの居住といった待遇が良い求人案件が多いとして、インドネシアを現地採用の就職先として興味を持つ人が多いという。今年3月から9月まで、同塾を通じて10人がジャカルタで就職を果たした。
日系製造メーカーが多く進出し、日本人の求人案件も増加傾向であるため、今回のツアー実施先に選んだ。今後も、タイやベトナムでのツアーを検討している。
参加者の島村洋平さん(33)は、今後日本にいてもアジアの人や企業とともに仕事をする機会が増え、アジアの人とスムーズに協働できる能力が求められると思い参加。「アジアで働けば、そういった能力が得られる」と意欲的だ。日本の企業から内定を得ている大学4年生の男性は「今はジャカルタでの就職は考えていないが、今後の人生の参考にしたい」と語った。他の参加者からは「不安はあるが、日本以外の国の働き方を知りたい」「言葉や異文化コミュニケーションなど、日本では身に付かないスキルを得たい」といった意見もあった。