交流拡大に期待感 高知、スラバヤ両市  「よさこい祭り」開催

 東ジャワ州スラバヤ市と高知市は16日、スラバヤ市庁舎前広場で4年ぶりとなる「スラバヤよさこい祭り」を開催した。今年は両市が姉妹都市提携を締結して26年目。国際交流の輪は年々広がり、地元小学生ら22チームから500人あまりが踊りを披露した。しかも今回は文化交流から経済協力に発展させたい双方の思いが動き出し、姉妹関係が迎えた新たな局面に期待感が高まっている。

 産業都市・スラバヤは2003年、乏しい観光資源の〝起爆剤〟にしようと高知市の協力で1回目の「よさこい祭り」を開催。踊りの動画を収録した1枚のDVDから、手探りでよさこい踊りを市民に浸透させてきた。
 コロナ禍で延期となっていた2022年の提携25周年事業となった今回は、韓国やフィリピンなど8カ国の在留外国人も加わるクロスカルチャー事業に発展。スラバヤ市のエリ・カヒャディ市長は、「よさこい祭りは初回から回を重ね、多くの市民に親しまれるようになった」と歓迎した。
 一方、祭りを共催した駐スラバヤ日本総領事館は前日の15日、総領事公邸で懇親会を開催。高知側からは団長の岡崎誠也市長のほか、市議や県内企業関係者ら16人を招待。スラバヤのカディン(商工会議所)など東ジャワ州の経済団体トップら26人との意見交換を実現させた。竹山健一総領事はあいさつで、「日本は人手不足が深刻化しており、接点を見つけて両市の合致点を探ってほしい」と述べた。
 これに対し、高知市の高野一郎・姉妹都市委員会会長は「少子高齢化が進んでおり、人材不足でも互恵関係を構築したい」と強調。スラバヤのアディック・カディン会頭も「(この日の会合を)今後の協力に向けたスタートにしたい。雇用の伸び悩みが課題となる中、人材不足の話は興味深い」と応じた。
 これを受ける形でエリ市長は16日、岡崎市長に年内にも高知市を訪問する意向を伝え、「文化交流だけでなく、姉妹都市関係を多分野に広げたい」と述べた。(スラバヤ=長谷川周人、写真も)

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