光る対人会話スキル 皇后さま 元外交官、マルチリンガル
ご成婚30周年となる今年、両陛下揃っての友好親善のための外国訪問は21年ぶり。ご結婚後、初となる外国親善訪問は皇太子時代の1994年だった。
その際のご訪問先は中東の湾岸4カ国、サウジアラビアとオマーン、カタール、バーレーン。続く95年には中東3カ国、クウェートとアラブ首長国連邦、ヨルダンへ。2002年には、ニュージーランドとオーストラリアを訪問された。
即位後初となる友好親善を目的とした外国訪問となったインドネシア。ご滞在中、元外交官というキャリアを持つ皇后さまの対人コミュニケーションスキルが光った。
インドネシアでの宿泊先ホテルに到着された際、日本人学校の児童生徒に出迎えられた。「目を合わせながら話された」とジャカルタ日本人学校(JJS)小学部4年の府野未侑さんは言う。引率したJJS中学部の中村聡子教頭も「一人の子どもに対し、両陛下が揃ってお声かけして下さった」と喜んだ。
子どもたちと目線を合わせ、ゆっくりと頷きながら、優しい表情と声で話された。また、質問内容も「どのようなところが好きですか」と話題を深掘りされ、相手を知りたいという姿勢をにじまされた。
20日の南ジャカルタのカリバタ英雄墓地では、沿道から「陛下!」と声がかかると車に乗られる直前だったが、両陛下ともにしっかり立ち止まり、手を振られていた。
西ジャワ州ボゴール市のイスタナ(大統領宮殿)でも皇后さまは、英・露・独・仏などマルチリンガルの才能を活かされ積極的にジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領夫妻に話しかけられている姿が印象的だった。
イリアナ大統領夫人が皇后さまをもてなした伝統文化紹介では、ろうけつ染めを体験されたほか、バティック布を合わせて笑顔を見せ、楽しまれる場面もあった。(青山桃花)