新規感染者増加に警鐘 保健省  新亜種「アークトゥルス」

 レバラン(断食月明け大祭)休暇が始まった4月中旬以降、新型コロナ感染者数が増加傾向にある。保健省によると、これまで新規感染者が前日比3桁台に留まっていたが、レバランに合わせたチュティ・ブルサマ(有給休暇取得奨励日)の開始日となった4月19日は同1242人増。さらに、大型連休が終了した3日は同2647人増と過去10カ月間での最多を記録している。
 地元メディアによると、インドなどで感染が急拡大する新型コロナウイルス・オミクロン株の新系統「XBB.1.16(別称アークトゥルス)」が国内でも感染が広がり、感染拡大の引き金となった。
 アークトゥルスは、世界保健機関(WHO)が「注目すべき変異株」に指定し、監視を強化している。ただ、同変異株の症状は目の充血などが報告されているが、ほとんどが軽症。インドのほか米、豪、シンガポールなど32カ国で感染が報告されている。
 また、感染者は増加傾向にあるものの、国内の病床使用率は7・47%と低い。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は4月22日、新規感染者増加を受け、「過剰に反応することはない。新型コロナのワクチン接種を済ませ、健康プロトコルを順守するように」と国民に呼びかけた。
 一方、今年はムディック(帰省)をする国民が政府予測で1億2380万人に膨らんだ。4年ぶりに規制がないムディックとなり、運輸省は2日、連休中の高速道路利用車両は、往路復路合わせ390万台を超えたと発表した。前年同期比6・1%増となる。(青山桃花)

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