国と国を結ぶ人と人 日本語パートナーズ 大使館訪問で活動報告

 東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の日本語教育支援を目的とする国際交流基金の「日本語パートナーズ(NP)」。約6カ月間の派遣を終えたNP29人が16日、中央ジャカルタの在インドネシア日本大使館で金杉憲治日本大使と紀谷昌彦ASEAN大使を表敬訪問し、活動報告を行った。2022年度にインドネシアに派遣されたのは、先に帰国の途に就いたグループ含め76人だった。

 同基金によると、例年行われる表敬訪問では日本大使だけだったが、ASEAN大使が出席したのはこの日が初めてとなった。
 西ジャワ州プルワカルタに派遣された菅原有紗さんは、NPを代表してあいさつ。「インドネシアの友人が、高校生だった当時、学校に来たNPがきっかけで日本に興味を持ち、今日本で働いている」とエピソードを語った。
 一方、自身のNP活動中にはインドネシア文化も積極的に触れたとし、「私が浴衣を着るより、ヒジャブを被った時の方が『綺麗』と生徒が喜んだ」と交流体験を紹介。その上で「国と国を結ぶのは、人と人だ。オンラインより強い絆が生まれる」と現地での相互文化交流でしか生まれない絆を訴えた。
 大使館訪問では、新たに活動報告も行われた。NP期間中に撮った写真や映像を交え、北スマトラ州メダン市やバリ州バドゥン県、西ジャワ州バンドン市に派遣された3人が発表した。
 活動報告では「中華系が多い土地柄だったので、共通の文化や漢字を使った文化紹介をした」とその土地に沿った内容を。「なにを伝えたくてそのテーマを選ぶのか」と日本文化紹介を通じて学びがあるよう工夫したなど、それぞれが派遣を通した経験を伝えた。
 金杉、紀谷両大使からは「日本に帰国してからはインドネシア各地の魅力を伝えて欲しい」と願いが送られた。
 同基金ジャカルタ日本文化センターの高橋裕一所長は「高校の教育現場にこれだけの人数が派遣される事業はなかなかない。地道な草の根活動が日イ関係を結ぶ」とNP事業の意義を強調した。(青山桃花、写真も)

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