コロナ禍から市場回復へ 3年ぶりの対面セミナー ジェトロ、SMEJ
日本貿易振興機構(ジェトロ)ジャカルタ事務所と中小企業連合会(SMEJ)は20日、新春セミナーを日本大使館で3年ぶりに対面実施した。
あいさつに立った金杉憲治駐インドネシア日本大使は、「日イは海で囲まれた島国で、化石燃料の使用率も高いなど共通点が多い。日本の現状、インドネシアの潜在性をみて、同じ目線で歩んで行かなければならない」と述べた。
SMEJの小林一則理事長は「より多くの中小企業の方々と会い、SMEJで共に学べる一年としていきたい」と語った。
セミナーでは、ジェトロジャカルタ事務所の髙橋正和所長が、アジア・オセアニアの計20カ国・地域の日系企業から回答を得た「海外進出日系企業実態調査(調査期間22年8~9月)」からインドネシアにおける日系企業の経営環境について講演した。
髙橋氏は、黒字企業の割合推移を見るとインドネシアでは黒字の日系企業が増えて7割超となり、ASEANではシンガポールに次いで2位となったことを紹介した。
また、22年の営業利益見込みは21年と比較して47%が「改善」、29・8%が「横ばい」、23・2%が「悪化」と回答。改善理由は、新型コロナからの反動、行動制限緩和の影響、市場での購買力増加に伴う売り上げ増加などが目立った。一方、悪化した理由では原材料、部品調達、物流コストや人件費の上昇が挙げられた。
営業利益が改善する企業の割合から悪化する企業の割合を差し引いた値(DI値)は、22年が23・8㌽だったが、23年は41・0㌽となることが予想され、髙橋氏は市場購買力の増加やコロナ禍からの反動などが企業の成長や今後の事業拡大を後押ししていると語った。(坂田恵愛)