空軍機 住宅に墜落 乗員・住民10人死亡 東ジャカルタのハリム空港内 訓練中の中型輸送機
21日午後2時45分ごろ、インドネシア空軍の中型輸送機「フォッカーF27」が、東ジャカルタのハリム・プルダナクスマ空港の敷地内にある空軍関係者向け住宅が並ぶラジャワリ・コンプレックス内に墜落した。乗員7人と墜落地点の住宅にいた3人の計10人が死亡。12人が重軽傷を負った。空軍のアズマン・ユヌス報道局長によると、フォッカー機は同1時10分ごろ、訓練飛行のため、ハリム空港を離陸した。空軍はブラックボックスを墜落現場から回収し、墜落原因を調べている。
墜落の一部始終を目撃した近隣住民のデアさん(13)は、じゃかるた新聞に対し、「フォッカー機は左右に機体を揺らしながら降下し、墜落した」と説明。空軍関係者が住む家屋9戸が炎上し、救急車十数台が出動した。
機長を含む乗員7人のうち6人は即死。副機長はハリム空軍中央病院に運ばれたが、まもなく死亡した。そのほか、墜落した飛行機の下敷きになった子ども2人とメードの女性1人が死亡した。2人が同病院の集中治療室(ICU)で治療を受けているほか、10人が重軽傷を負った。
フォッカーF27はオランダのフォッカー社が開発。1955年に初飛行した。主翼が上部に取り付けられた高翼機であるため、飛行時の安定性が高いとされる。
2009年にも空軍の同型機が西ジャワ州バンドンのフセイン・サストラヌガラ空港への着陸時に墜落。格納庫に激突し、乗員24人全員が死亡した。
墜落機(登録番号A―2708)は1977年から使用。インドネシア空軍は6機のフォッカーF27を所有している。
国防省は老朽化する機材の刷新に向け、フォッカー機と9機の輸送機「C―295s」を交換する計画を、航空機製造会社エアバス・ミリタリー社と今年初めに結んでいる。
先月9日には、西ジャワ州ボゴールのサラック山で、ロシア製小型旅客機「スホイ・スーパージェット100」が墜落。乗員・乗客45人全員が死亡した。