教科書では学べない歴史 「赤道にある桜の花」展 旧前田邸
中央ジャカルタ・メンテンにあるスカルノ初代大統領によって独立宣言書が書かれた旧前田邸の「独立宣言文起草記念博物館」で、日イ交流を振り返る「赤道にある桜の花」展が公開されている。会期は9月10日まで。
展示会では、日本人が初めてインドネシアの土を踏んだ時代から、残留日本兵が独立戦争を戦ったインドネシア独立までの日イの歴史を紐解いている。
展示作品には、軍政期に発行された外国人居留証などの貴重な公文書のほか、当時の様子が分かる映像やカメラや新聞などが展示されている。説明の表記はインドネシア語と英語となる。
23日、コロナ禍を経て初めての校外学習を行った南ジャカルタにあるチガンジュール第1国立小学校の6年生が同館を訪れた。
同展示作品はもちろん、防空壕や壁にコピーされたスカルノ初代大統領の直筆独立宣言書を見学。その後、担当教師から出題される問いに対して正解するまで何度も館内見学を繰り返していた姿があった。
同館の案内役を8年にわたり務めるエミルさん(41)は「ここでは、学校の教科書だけでは学べないことが学べる。例えば、終戦後もインドネシアの独立を手助けしたいという思いからインドネシアに残った日本人や再び戻ってきた日本人がいること。また、インドネシアの学校で毎週月曜日の朝礼で行われる国旗掲揚のルーツは日本から来ていること」と目を輝かせた。
エミルさんはまた、「日本は3年半にわたりインドネシアを占領したが、良いこともあった。オランダ植民地時代はインドネシア人が教育を受けることは難しかったが、日本は教育制度を整えて誰もが学校に通えるようにした。どこの国にも、良い人も悪い人もいるということではないか」と語った。