人生のターニングポイント 初めての映画出演 加藤ひろあきさん
歌手の加藤ひろあきさん(39)が日本兵役で出演している映画「IVANNA」が注目を浴びている。鑑賞可能年齢が17歳以上と制限が設定される中で、7月14日の封切りからわずか15日間で観客動員数221万人を突破。異例の大ヒット作となった。
2日時点の観客動員数は253万5788人。現在、マレーシアでも上映中で、今後フィリピン、ブルネイでも上映が予定される。
同作品は2021年末に公開予定だったが、新型コロナの影響で上映延期が続いていた。あらすじは、1943年と1993年の西ジャワ州バンドンを舞台とする物語が交差するホラー映画。悲しい死を遂げた主人公のイバンナが時を超え、住民たちに復讐を成す。
一方、93年が舞台の場面では両親を亡くした2人の姉弟が知人が経営する老人ホームへ身を寄せることから始まる。姉弟の姉は視覚障がい者だが特殊な目を持っている……。
オーディションで約20人の応募者の中から、日本兵役を勝ち取った加藤さんは「出演している場面は大きく2カ所しかないが、そこが物語のキーとなっている。そこが見どころだと思う」と解説する。
役者として映画出演できたことについては、「人生の転換点になった。日本人の自分が日本兵役を勝ち取れなければこの先のチャンスはないと思い、オーディションの段階から全力で挑んだ」といってガッツポーズ。来年はインドネシアで活動を始めて10年目となるが、「これからも人との出会いを大切にしたい」と目を輝かせ、役者という新たな〝武器〟を手に入れた様子だった。
同作品は、映画・テレビ番組制作会社であるMDピクチャーズが制作し、監督はキモ・スタンボエル、原作はリサ・サラワティ。撮影地は西ジャワ州チルボンのオランダ植民地時代に製糖工場として使用されていた建物で、映画に登場する井戸も当時から残されているものだという。
映画は、英語字幕付きで出演者が日本語を話す場面もあり、インドネシア語が分からない人でも楽しめる。