次世代になう3世交流を カリバタ参拝の邦人有志 福祉友の会
太平洋戦争後もインドネシアにとどまり、独立戦争を戦った元残留日本兵の子孫による組織「福祉友の会」は4日、日系企業の邦人有志らとともにカリバタ英雄墓地(南ジャカルタ)に眠る元残留日本兵の墓を参拝した。7回目となる今回は、35人が参加して墓前に献花した。
同墓地での参拝は歴代首相が行っており、4月下旬に訪イした岸田文雄首相も墓前で手を合わせ、先人の偉功に敬意と謝意を示した。また、参拝前に開かれる同会の事前説明は、墓地内の国家級行事に使用される会議室の利用を認められるようになるなど、インドネシア側も独立戦争に貢献した邦人兵士を厚遇している。
今回が初参拝となった参加者のひとりは「国立追悼施設に日本人が埋葬されていることが、どれほど類のないことか痛感した。悲しい歴史もある中、インドネシアに貢献した多くの人がいることに頭が下がる思いだ。今後は3世4世と文化交流もしていきたい」と過去と現代に思いをはせた。
今回が3回目の参拝となる尾形映美さん(28)は「周りの日本人の方へこの墓地や歴史についての認知を高めたい。残留日本兵の方たちのおかげで日本企業がインドネシア進出することができた。3世4世を雇用する新事業展開も視野に入れている」と語った。
一方、同墓地に祖父が眠る3世のリマさん(33)は、「邦人のみなさんが自分の祖父に手を合わせてくれているのに、自分は何もしなくていいのだろうかと疑問に思い、参加を決めた。今後もお手伝いをしていきたい」と参拝者へ感謝の気持ちを表した。