ユーロ4対応の新型車発表 日野 ジャワ島外でも需要増
政府は4月以降、ディーゼル車に適用される欧州の排ガス規制を「ユーロ2」から「ユーロ4」に引き上げ、規制を強化する。これに向けて日野モータース・セールス・インドネシア(HMSI)は9日、西ジャワ州プルワカルタ県の運転講習施設「日野トータルサポートカスタマーセンター」でユーロ4に対応した新型車を発表した。生産は3月上旬から開始しており、規制の先手を打った。HMSIは規制強化後、商用車市場における存在感を示す。
ユーロ4対応の日野デュトロ(小型トラック)とバスは3月上旬から、日野レンジャー(中型トラック)は4月から生産が始まる。
生産台数について、じゃかるた新聞の取材にHMSIの内田真人社長は、「年産3万台を目標にする」とした。同社は昨年、約2万台を生産。
内田氏は、「コロナ禍で落ち込んだ客の購買意欲が戻りつつあるのを実感している。帰省や観光目的で使われるバスのレバラン(断食月開明け大祭)需要も見込める」との見解を示した。
インドネシアで生産した同社の商用車は90%が国内向けとなり、残る10%をフィリピンとベトナムに輸出している。
国内販売はジャワ島が中心となるが、ここにきてスマトラ島やカリマンタン島でも販売台数が増加傾向にあるという。
内田社長は売れ行きが好調な理由について、「スマトラやカリマンタンではダンプカーの需要が高まっている。背景には世界的な石炭の価格高騰、建設業の活性化などがある」と分析している。
政府は2060年までに二酸化炭素の排出量ゼロを目標に掲げ、排ガス規制強化のほか電気自動車(EV)や電動バイクの導入も進める。
内田氏は「(目標達成には)政府、メーカー、消費者が足並みを揃えていかなければならない。HMSIはバリューに合った価格設定のもと、客が一番求めている物を追求していきたい」と意気込む。(長田陸、写真も)