運転技術教習センター設立  運転手の意識改革に 日野自動車現法

 日野自動車の現地法人、日野モータース・セールス・インドネシア(HMSI)は27日、西ジャワ州プルワカルタ県のコタ・ブキット・インダ工業団地で、トータルサポートカスタマーセンターの開所式を行った。同センターは運転手の安全意識の向上を図る教習施設などで構成され、開所式にはインドネシア側からはアンネ・ラトナ・ムスティカ・プルワカルタ県知事、ブディ・スティヤディ運輸省陸運総局局長らが出席した。

 運転手を教習対象とする同センターでは、安全運転の意識向上を図るほか、車両の保守点検ができるよう車のメカニズムも学べる。教習者は日野自動車ユーザーに限定せず、商用車の枠を越えてオートバイ、さらには警察や救急車などの特殊な緊急車輌の運転のための教習も含め、広く受け入れていく。危険物輸送にともなうライセンス発行の手続きも実施する。
 敷地面積は2万4千平方メートルでこのうち教習エリアは1万平方メートル。バスや大型トラックにも対応する走行コースも設けた。公道に模した急カーブや車高制限のバーもあり、安全走行のための制動距離がわかるよう、路面に距離表記もされている。センター内には、シミュレーターも設置され、日本の自動車教習所を思わせる施設となっている。
 同センターの設立計画は3年前からあったが、人の往来が制限される新型コロナウイルスの感染拡大の影響が直撃したため、完成までに年月を要した。
 センター完成を受けてHMSIの内田真人社長は、「インドネシアは総人口に対して自動車の保有台数はまだまだ少ない。経済が成長すれば、物流も人の行き来もさらに増えてくるだろう。また荷物やお客さまを安全に届けることが重要だが、当地では不良タイヤを使用する人もいるなど、まだ安全に対する意識が低いと言わざるを得ず、センターの活用で運転手の意識改善に貢献していきたい」と話している。
 HMSIは今後、地場企業の運転手が安全運転を競う日野テレマティクスセーフティードライビングコンペティションを3年ぶりに再開させる予定という。 (坂田恵愛、写真も)

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