運航拡大へ新機材次々 格安航空会社が攻勢
インドネシアの格安航空が相次いで、新機材導入の方針を打ち出している。国内全体の年間搭乗者数は2011年に前年比16.78%増を記録し、今後も堅調な伸びが見込まれる中、運航頻度や路線拡充を進め、各社がシェア拡大を狙う。国内線でトップとなるシェア41.59%を誇る格安航空のライオンエアは、ボーイング737―900ER型機を年内に12機購入し、保有機材数を99機に拡充。ジャカルタ―ジャヤプラ(パプア州)―メラウケ(同)間の夜間路線など4路線を近く就航する予定で、攻勢を強めている。
ライオンエアは現在、シンガポールとクアラルンプールを含む国内外36空港に就航。ライオンエアのエドワード・シライット取締役は16年までの中期目標として、「東南アジア諸国連合(ASEAN)地域を含む60空港就航、178機体制」を掲げた。
同社子会社のウイングエアは短距離ターボジェット機をさらに6台導入し、ジャワとスマトラ、カリマンタンでの運航を強化する。
今年第1四半期の両社の利用者実績は、前年同期比10%増の約800万人。ライオンエアは来年、新たに新子会社のバティックエアを設立し、豪州や北、東アジア路線を就航する予定。格安航空としては運航せず、搭乗者サービスを充実させていく方針だ。
国営ガルーダ・インドネシア航空の格安航空ブランド「シティリンク」は昨年、国内線搭乗者数が前年比45%増を記録したが、シェア2.3%にとどまっている。年内に保有機材を倍増させ、新たに3空港に就航。15年までの中期目標としては50機材の目標を打ち出している。第1四半期の利用者は37万1486人となり、前年同期比で55.44%を記録するなど著しく増加した。
インドネシア・エアアジア(IAA)は短・中距離旅客機エアバスA320を年内に5機購入する。同社のアウドリー・プロガスタマ広報担当は「今年は需要が高い国内路線に注力していく」と強調。直近では、バンドン(西ジャワ州)―スラバヤ(東ジャワ州)路線、ジョクジャカルタ―デンパサール(バリ州)路線などを新規に開設した。
第1四半期におけるIAAの利用者実績は、前年同期比16%増の127万人。国内航空会社による国際線のシェアは特に高く、11年は41.58%を記録している。