スリランカで新たな挑戦 PONを終えて 野球監督、野中寿人さん
野球のジャカルタ代表チームで監督を務めた野中寿人さん(60)は、開催中のパプア国体(PON)で同チームを優勝に導いた。その野中さんが10日、じゃかるた新聞の取材に応じ、今回の優勝をひとつの区切りとし、今後はスリランカで新たな舞台に挑戦することを明らかにした。
PONで野球競技が閉幕した後、野中さんは「スリランカのアマチュア野球連盟からヘッドコーチになってくれないかとオファーがあった」という。野中さんは2019年4月に野球のスリランカ代表監督に就任。同年開催した第14回西アジアカップに参戦し、スリランカ代表チームを優勝に導いた。
「22年3月に台湾でアジア野球選手権大会、22年9月に中国でアジア競技大会が開催される。(スリランカ代表チームは)コロナ禍でロックダウン、思うように練習ができていないと思う。(野中さんの就任をきっかけに)ここから立て直しを測っているのではないか。もう一度、私の野球を吸収したいと頼まれた」
ジャカルタ代表チームの監督時代、苦い思いもした。「ローカルの監督が試合中に誤ったサインを出してしまい、チームの勢いが止まってしまうことが多々あった。だからスリランカでは(教えたことが)残る指導をしていきたい」という。
笑顔で金メダルを見せてくれたジョディアンシャ選手(23)は、「PONで優勝した瞬間、言葉では表せないほど喜びを感じた」と熱く語った。優勝したことでジャカルタ特別州から贈られる報奨金1億ルピアの使い道については、「家族や友だちに食事をおごってあげたい。あと、イケア(スウェーデンの家具量販店)で買い物をしたい」と述べた。
ジョディアンシャ選手はまた、「22年のアジア競技大会では(野中さん率いる)スリランカ代表チームと対戦する可能性がある。その日に備え、これからも練習を頑張っていきたい」と締めくくった。(長田陸、写真も)