市場規模32%増に フランチャイズ業界 自国業者保護の動きも 展示会に来場者2万人

 フランチャイズ業界の市場規模が年々拡大している。国民所得の増加による中間層の拡大と人口ボーナス期を迎え、インドネシア・フランチャイズ協会(AFI)によると、2012年の総売上は前年比32.2%増の160兆ルピアに達する見込み。一方で、マレーシアなど海外からフランチャイズ業者の参入が加速しているため、同協会のアナン・スカンダル会長は国内業者の保護を政府に要請。参入障壁を高く設定することで、自国企業の発展を加速させる狙いがあり、政府の対応に注目が集まっている。

 3日、中央ジャカルタ・スナヤンのジャカルタ・コンベンション・センター(JCC)。2006年から開催されている「国際フランチャイズ・ライセンス&ビジネス・コンセプト・エキスポ」に国内外のフランチャイズ企業約283社がブースを出店し、投資家や企業家たちに事業契約や業態、ロイヤリティーなどを宣伝した。参加企業は昨年より約60社多く、主催側は展示スペースを1.5倍に拡大した。
 ファストフードをはじめとする飲食系企業が並ぶ中、大手小売店の看板付近は一際多くの来場者でにぎわっていた。ミニマートと呼ばれる、スーパーとコンビニの中間的な業態の「アルファマート」や「インドマレット」をそれぞれ展開するインドマルコ・プリスマタマ社、スンブル・アルファリア・トリジャヤ社のブースだ。国内に約6千の店舗を構え、しのぎをけずる両社は今回、入口近くに最大規模の展示スペースを確保した。
 両社は今回の展示会で、フランチャイズの新規開業目標を50店と掲げた。ミニマートのコンセプトを押し出し、店舗数の拡大で事業拡大を図っていく方針だ。広さや設備にもよるが、新規開業に必要な資金はどちらも約4億ルピア(約330万円)前後という。
 「必要な投資額は高くない。立地が重要だとわかり、調査してすぐに開業したい」。ジャカルタ在住の投資家のハリさん(50)。今回10カ所以上のブースを回ったが、ミニマートのフランチャイズ開業に最も魅力を感じたという。小売業の展開を検討しているハリさんはすでに建物と土地を所有しており、ブースの担当者と熱心に事業展開の可能性について話した。
 アルファマートでは月間の店舗売上が7500万ルピアまでは加盟金(ロイヤリティ)の支払いは無料。それ以上の売上の場合、金額に応じて2―3%の支払い義務が生じる。インドマレットでは1億7500万ルピアまで加盟金の支払い義務が生じない。同額を超えると、同様に月間売り上げに応じて2―4%の支払いとなる。
 同エキスポには、3日間で約2万人のフランチャイズ開業を検討する投資家たちが来場した。

■外国勢に警戒
 近年では、セブンイレブンやローソンが国内小売市場へ続々と参入を果たした。また、展示会では、マレーシアのフランチャイズ企業が全体の約2割を占めるなど、外国勢の存在感が急速に高まっている。
 AFIのアナン・スカンダル会長は政府に対し、フランチャイズ事業で外資が参入できる条件として、国内で法人設立から1年以上が経過していることを条件とするよう要請。自国での事業実績が不透明な企業に対しては、事業許可の審査を慎重に行うよう訴えている。
 AFIによると2012年、フランチャイズ展開企業は国内で400社、展開店舗数は8万店に達すると予想されている。

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