13.1億ドルの黒字 6月の貿易統計
インドネシア中央統計局(BPS)はこのほど、6月の貿易統計を発表した。輸出額は前年同月比54・5%増の185億4540万ドル、輸入額は60・1%増の172億2900万ドルだった。貿易黒字は14カ月連続となる。地元メディアが報じた。
13億1640万ドルの黒字を記録。1~6月の輸出の累計は前年同期比34・8%増の1028億7330万ドル、輸入額同28・4%増の910億1030万ドル。石炭価格の上昇などが主な要因となり、輸出額は2011年8月以来、輸入額はルピア安に泣いた18年10月以来の最高額だった。
1~6月の貿易黒字は118億6300万ドルまで積み増している。
国内経済は新型コロナウイルスの感染拡大に悩む状況が続いている。グローバルなマーケットでも自動車などの工業製品輸出の先行き不透明感といったリスクを抱えながら、事業を続けている企業が多い。
そうした状況の中で、原材料や資本財の輸入が増加傾向にあることは、今後の産業振興に向けて明るい材料といえる。政府内には、新型コロナウイルス感染拡大対策と並行して、停滞してきた公共事業の復調を図る動きがある。
貿易収支については、石炭や石油価格の動向が今後の鍵を握ることになりそうだ。石油・ガス価格の落ち着きが輸入コスト増大を防いできた側面があるが、昨今の原油価格は高止まりしている。
石油の輸入超過に悩むインドネシアで経済活動が活発化し、輸入量が増加した場合、貿易収支悪化につながる懸念がある。