ワクチン追加分到着 シノバック製 14日から国民投与
スカルノハッタ国際空港(バンテン州タンゲラン)に11日夜、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)の新型コロナウイルスワクチン、1500万回分が到着した。13日にジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が同ワクチンを最初に接種し、14日から国民が順次接種していく予定。地元メディアが報じた。
インドネシアにはこれまでに同ワクチン300万回分が到着しており、すでに各地域に分配されている。 保健大臣規定(2020年84号)によると、投与対象の優先度は6つに分かれ、「医療、国軍、国家警察、法執行機関、公共事業への従事者」が最優先となる。次いで「宗教家など」、「教育関係者」、「国家機関関係者など」、「身体的・社会的弱者」、最後に「その他の市民」となる。
保健省によれば、投与が行われるのは各地の保健所、公立病院や国有病院など、公的医療施設となる。対象者は同省からのショートメッセージ(SMS)を受け取り、アプリケーションを通してワクチン接種の登録をする。
シノバック製ワクチンをめぐっては、食品医薬品監督庁(BPOM)が11日、緊急使用許可を出した。またイスラム指導者評議会(MUI)は同日、同ワクチンの使用を正式に「ハラル(イスラム教義に沿ったもの)」と認証する「ファトワ(宗教見解)」を出した。
政府は今後、感染拡大を食止める「集団免疫」を目的とし、2022年4月までに人口の約70%にあたる1億8150万人への投与を目標に、国内全州で投与を行う。また国営製薬会社ビオ・ファルマは、年間2億5千万回分のワクチンを自社生産できるとしている。
ワクチン接種を拒否した場合は、「検疫に関する法律(2018年6号)」に違反したとして、最長1年の懲役あるいは最大1億ルピアの罰金が科される。また、ジャカルタ特別州では、条例により500万ルピアの罰金が科されるなど、地方ごとの罰則もある。 (三好由華)