最後の205系到着 JR東日本から 日本製中古車両
北ジャカルタのタンジュンプリオク港に15日、JR東日本の武蔵野線で活躍していた205系電車の中古車両24両が、到着した。首都圏専用電車(KRL、コミューター)を運行しているクレタ・コミューター・インドネシア(KCI)とJR東日本が日本製の退役車両をジャカルタで再出発させるこのプロジェクトでは、この日の到着分が最後となり、8年間で計812両が輸出された。
到着したのは「京葉車両センター」(千葉市)にあった24両で、千葉港を10月29日に貨物船で出発。予定より1日遅れて15日夕、同港に接岸した。大型クレーンで陸揚げされ、税関手続きなどを経てKCI側に引き渡された。
今後は、西ジャワ州デポック市にある車両基地に運ばれ、改装工事や試験運転を繰り返し、順調なら今月中にも営業運転に入る。運行区間はマンガライ(南ジャカルタ)~ボゴール間となる見通しという。
日本製中古車両の導入は、2000年に始まった都営地下鉄の6000系が先行するが、継続プロジェクトになるのは13年にJR東日本とKCIが交わした車両輸出に関する協定から。これまでに輸出された205系は、埼京線、横浜線、南武線、武蔵野線を走っていた車両になる。
この日の引き渡し作業に立ち会った、JR東日本からKCIに出向している廣橋武志・クオリティー・コントロールマネジャーは、「〝第2の人生〟となるインドネシアでも、安心・安全の運行を続けてほしい。日本側は今後も日々のメンテナンスも含め、サポートしていきたい」と話していた。(長谷川周人、写真も)