上期の損失85兆ルピア ホテル・レストラン業界
インドネシア経営者協会(アピンド)は28日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今年上半期にホテル業界とレストラン業界が受けた損失が85兆ルピアにのぼったことを明らかにした。地元メディアが報じた。
アピンドとホテル・レストラン協会(PHRI)の会長を兼任するハリヤディ・スカムダニ氏によると、上半期だけで2千軒のホテルと8千軒のレストランが一時閉鎖に追い込まれている。新型コロナ対策「大規模社会的制限(PSBB)」の緩和が始まった6月以降も来客数は低迷しており、ホテルは40兆ルピア、レストランは45兆ルピアの損失をそれぞれ出しているという。
また、国内のホテルは約90%が損失を出している。客室の占有率は平均15%を割り込み、人件費や電気代といった固定費が賄えない事業者が出ているという。航空会社は8億1200万ドル、旅行会社は4兆ルピアの損失を出しているとした。
ハリヤディ氏は6月、インドネシア国内にある約72万室のホテルと1万7862軒の飲食店を存続させるには、6カ月間の運転資金として「少なくとも21兆3千億ルピアは必要」と指摘していた。
一方、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)が6月に公表した報告書では、国内の観光業が新型コロナの影響から回復するには約10カ月を要すると見方が示されている。