小さな「できた!」を褒める大切さ
「注意し続けたら分かると信じて、その都度言い続けていますが、小学校の高学年になっても変わりません。宿題も片づけも、グズグズして動けず、一から十まで言われないとできません」
もっと良くなってもらいたい親心で、言い続けているのでしょうが、効果がないのであれば、子どもへの接し方を見直しましょう。
脳の働きから見ると、「あーして」「こうして」と人から言われる指示・注意、チェックされることは嫌。気分が悪くなり、行動に移し難いものです。慣れないことをするのも苦手で、言われても直ぐにできないのは、「習慣」があるからです。子どもにも「思考習慣」、「行動習慣」があり、その都度言われないと動けないケースがままあります。さらに、言われる→それでもできない→また言われる、を繰り返すうちに、言われてから動くこと自体が習慣になります。
このように、言い続けても子供が動けるようにならないのは、言葉がけの中身に問題があります。そうとも知らずに「あーしなさい」「こうしなさい」と一回一回親が言い続けているうちに意欲は低下し、指示待ち人間、人に合わせる消極的な人間になります。
あるいは、ママの声がうるさく反発する、イライラと気分悪く、切れやすい人間になります。どちらも、自分決めできず、主体性ある行動も取れなくなり、どうかすると自信さえも奪われてしまいます。この接し方では、効果がありません。
ならば、どうしたら子どものやる気を引き出せるでしょうか? それは、褒めてあげることです。
褒め方のポイントは、好ましい行動が出来た時に即座に褒めることです。そのためには、小さな出来事・変化も見逃さないように、子どもの興味・関心を見て行く必要があります。何でも褒めてしまうことは、逆効果です。創意工夫した時、いつもより忍耐強く行動できた時、思いやりある行動が取れた時に褒めることで、心を育むことができます。
また、「できた」「できない」だけで見てしまうと、最終的にできた時しか褒めてもらえないので、ケーキを切り分けるように物事を細分化して見て、小さな「できた!」をたくさん褒めてあげてください。
褒められたいのは、脳の本能が求めるからです「君は本当に素晴らしいよ」と感じさせてあげることで、子どもたちに自信と勇気を持たせることができます。
(コミュニケーション専門カウンセラー・家族関係心理士 高﨑美佳)
本稿への質問などは、カウンセリングルーム「ミカモーレ」(mikamour.fleur@gmail.com)まで。