財政赤字が昨年比増大 政府は歳出入再検討
スリ・ムルヤニ財務相はこのほど、2020年上半期の財政赤字が257兆8千億ルピアで国内総生産比1・57パーセントだったと発表した。前年同期は0・85%だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、政府支出などが大幅に増加した。
下半期以降は税収面でより悪化する可能性があり、政府は6月に発令した大統領令2020年72号など一連の施策を通して、予算の組み替えや効果的な財政出動など、経済対策を継続して進めていく方針を示している。
財務省発行の資料や地元メディアによると、歳入は前年同期比9・8%減の約811兆2千億ルピアで、歳出は同3・3%増の約1068兆9千億ルピアだった。
スリ財務相は、このほど開かれた国会予算委員会でことしの歳入目標の修正が再三行われてきたことに言及した。「国家予算の当初計画では約2233兆ルピア、次に大統領令2020年54号で約1706兆ルピア、さらに今回発令された72号で約1700兆ルピアに修正してきた」と説明し、新型コロナによる財政への打撃に対応して、歳出入ともに減少することへの理解を求めた。
第2四半期のGDP伸び率は3・1~3・8%程度のマイナス成長を見込んでいたが、このほど下方修正し、マイナス3・5~5・1%となる見通しを示している。
コンパスコムなど地元メディアによると、スリ財務相はソーシャルメディア上で「資金のニーズは膨らみ続けており、このパンデミックがいつ終わるかは誰もわからない」と強調。財政刺激策の重要性を示している。