新規感染者1624人 新型コロナ 過去最多を大幅更新
保健省は2日、1日あたりの新規感染者数で過去最多の1624人を記録したと発表。これまで最多だった1385人を大きく上回った。6月から相次ぐ更新について、対策本部は「検査件数の増加によるもの」と説明している。累計感染者数は5万9394人、死者数は2987人になった。
アフマド・ユリアント報道官は2日の会見で、1日あたり計2万3519件のPCR検査と分子迅速検査(TCM検査)を実施したと発表。こちらも過去最高を更新し、累計検査件数は84万9155件になった。PCR検査とTCM検査のそれぞれの数は公にされていない。
対策本部関係者は本紙取材に「検査件数に対する陽性の割合は6月中旬から減少傾向にある」とし、徐々に収束に向かっているとの認識を示した。
ただ統計サイト「ワールドメーター」によると、インドネシアの100万人あたりの検査件数は3104人で、フィリピンの6738人やタイの8648人を下回る。
また国内の疫学者からはTCM検査の有効性を疑問視し、PCR検査の拡大を進めるべきだという意見もある。
国内では東ジャワ州で累計感染者数1万2695人、死者数948人が確認され、いずれも最多となっている。2日の新規感染者確認数も374人に上った。
同州をめぐってはジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が6月25日、感染の拡大に危機感を示し、「今後2週間で新規感染者数を減少させる」よう、州政府などに求めた。7月3日にはテラワン・アグス・プトラント保健相が同州を訪れ、対策に関する州政府との連携を確認したが、短期間で収束に向かえるかは不透明だ。
また地元メディアによると、3日にマルク州のアンボン市で「大規模社会的制限(PSBB)」の延長に反対するデモが行われ、同市庁舎に乗り込もうとする商人や学生と治安部隊の間で小競り合いが起きた。
デモ隊はPSBBによって感染者の増加は抑えられていないのに、伝統市場などへの制限で生活が困窮したと訴えている。収束が見えない状況が続けば、各地で同様の騒ぎが起きる懸念がある。(大野航太郎)