オフィス、飲食店など再開 首都PSBB緩和拡大 通勤ラッシュも

 「大規模社会制限(PSBB)」の緩和措置を受け、ジャカルタ特別州では8日から、定員の50%という条件で、企業のオフィス勤務や飲食店の店内営業などが再開したほか、オートバイタクシー(オジェック)の乗客輸送も認められた。一方、企業のオフィス勤務が再開したことで、首都圏では通勤ラッシュが発生。西ジャワ州のボゴール駅では、通勤用の電車に乗る人で行列ができるなど、経済活動の再開と感染対策の両立の難しさが浮き彫りとなった。 

 8日から、PSBBで制限されていた飲食店での店内営業が可能になった。南ジャカルタ区のスミットマスの日本料理店「美卯・石鍋」も営業を再開。ランチタイムに同店を訪れていた駐在員の男性は、約2カ月ぶりに日本料理店での食事を楽しみ「安心した」と話す。男性の妻も「レストランで食べられるのが、こんなにうれしいなんて」と笑顔を見せた。
 南ジャカルタ区ブロックMでも、日本料理店の再開準備が進む。そのひとつ「丸福」は、PSBB実施期間中は店を閉じていたが、故郷へ帰っていた従業員を呼び集め、木曜夜から営業を再開する予定。経営者の布川光男さんは「他の店も今週中にどんどん開いていくのではないか」と話す。
 企業のオフィス勤務が認められたのに合わせ、市内の企業も徐々に活動を再開している。一方、8日朝にはジャカルタ市内へ通勤する会社員による通勤ラッシュも発生。地元メディアによると首都圏専用電車(KRL、コミューター)は同日午前10時までに、約15万人が利用した。乗車人数を50%までに制限していることから、西ジャワ州のボゴール駅では電車を待つ通勤客が行列を作り、密集状態が発生した。
 保健省によると、8日時点で全土では3万2033人が感染。ジャカルタ特別州の感染者数は8121人となった。同州の新規の感染者数は88人で、3日ぶりに100人を下回ったが、15日以降はショッピングモールや市場の再開などが控えており、経済活動の再開と感染防止対策の両立が一層重要となる。(高地伸幸)

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