カリマンタンで警官殺害 IS共鳴者の犯行か

 南カリマンタン州フルスンガイ県南ダハ郡で、刃物で武装した男が地元警察の詰め所を襲撃、警官1人を殺害する事件が起きた。男は別の警官にその場で射殺された。男は過激派組織「イスラミック・ステート(IS)」の共鳴者とみられており、国家警察はISを支持するインドネシアの過激派組織「ジャアマ・アンシャルット・ダウラ(JAD)」が犯行に関与したとして、捜査を進めている。
 地元メディアによると、男は1日午前2時ごろ、同郡にある警官の詰め所付近に停めてあった警察車両に放火。さらに詰め所内に乱入し、当直の警官1人を日本刀の様な大型の刃物で切りつけた。男はその後、詰め所内に立てこもったが、当直中の別の警官に射殺された。刃物で切り付けられた警官は搬送先の病院で、同日、死亡が確認された。

 犯行に及んだのは同郡に住む19歳の男で、所持品の中からISが使用する黒い旗のほか、ISへの忠誠を綴ったメモなどが見つかった。また、米国営放送、VOA(ボイス・オブ・アメリカ)のインドネシア語版が情報筋の話として伝えたところによると、インドネシアを含むアジア地域で活動するISの系列組織が
、同事件の犯行声明を出しているという。
 国家警察は男はISの支持者であり、ISと繋がりのあるJADが犯行に関与したとみて、対テロ特殊部隊(デンスス88)を現地に派遣。捜査と警備体制を強化している。

 JADは過激派指導者アマン・アブドゥラフマン受刑者(反テロ法違反で2018年に死刑判決)が設立。17年1月には米国政府に特別指定国際テロリスト(SDGT)に指定されている。サリナデパート前爆破テロ(16年)や、東ジャワ州スラバヤの教会を標的とした連続自爆テロ(18年)などに関与したとされる。

 ジャカルタを拠点とする紛争政策分析研究所(IPAC)の報告書によると、インドネシア国内では14年1月から今年2月までの間に、ISに共鳴するグループが引き起こしたテロ事件で警官19人が死亡、71人が負傷している。また、これらグループの構成員1千人以上が、反テロ法違反の疑いで逮捕されているという。

 新型コロナウイルスの感染拡大を「聖戦」の好機と捉える過激派組織もある。IPACの報告書によると、中部スラウェシ州ポソ県の山間部を拠点とする過激派組織「東インドネシアのムジャヒディン(MIT)」は新型コロナを、異教徒に感染し、イスラム国家に敵対する国の経済を弱体化させる「神が与えた軍隊」とし、同県で活動を活発化させている。
(高地伸幸)

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