船員派遣のあっせん業者 3人を容疑者認定 中国漁船のイ人船員
インドネシア人船員18人が、中国漁船の劣悪な労働環境と不当な賃金で働かされ今年3月までに4人が病死した問題で、国家警察は16日、中国漁船に船員を派遣したインドネシア側のあっせん業者3社に立ち入り捜査を実施し、社員3人を人身売買などの疑いで容疑者認定した。地元メディアが報じた。
労働者の搾取などを禁じた2007年に制定された法律では、不当な賃金や労働環境で働かせることを目的に、労働者を国外の雇用者にあっせんした場合、禁固3~15年と1億2千万~6億ルピアの罰金が科される。
この問題をめぐっては、在ジュネーブ国際機関インドネシア政府代表部のハサン・クレイブ大使は8日、ジュネーブにある国連人権委員会(UNHRC)との非公式協議の中で、「国外で漁業に従事するインドネシア人労働者の人権が軽視されている」とし、今回の問題に懸念を表明している。
18人は、約15カ月の勤務で約170万ルピアの賃金しか支払われなかったほか、1日18時間の長時間労働などを強いられていたという。また、病死した船員4人のうち航海中に死亡した3人の遺体が、海上に遺棄された。残る14人は8日、インドネシアに帰国している。(高地伸幸)