一部給与を遅配へ ガルーダ航空 従業員ら2万5000人対象

 国営ガルーダ・インドネシア航空のイルファン・スティアプトラ社長は、同社とグループ会社の従業員と役員計約2万5千人を対象とし、6月まで一部給与の遅配を実施することを明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で業績が低迷する中、グループ全体の運転資金の確保が目的という。地元メディアが伝えた。
 イルファン社長が4月29日に明らかにしたところによると、給与の遅配はガルーダ航空のほか、機体の整備を行うガルーダ・メンテナンス・ファシリティ・エアロ・アジア(GMF)や機内食を提供するエアロ・フードACSなどのグループ会社の従業員と役員、約2万5千人が対象となる。
 割合は役職により異なり、ディレクターとコミサリス(監査役)は50%、役職に就いていない一般社員は10%となる。イルファン社長によると、6月分までの給与が対象で、遅配した給与はコロナ終息後に支払われるとしている。
 一方、レバラン(断食月明け大祭)の賞与(THR)については、国営企業省の大臣令に従い、レバランの1週間前までに役員を除くすべての従業員に支給するという。
 ガルーダ航空は昨年の連結決算で純利益が約645万7千ドルとなり、3年ぶりに黒字を計上していた。
 しかし、今年に入って新型コロナの感染が世界的に広がると業績が低迷。地元メディアによると、同社の2020年第1四半期(1~3月)の売上は前年同期比で約33%減少している。イルファン社長は売上減の背景について、「中国路線とサウジアラビア路線の運休による影響が大きい」と説明。同社では、これまで週30便運航していた中国便を2月5日から全面運休。また、サウジアラビア政府が2月27日から、インドネシアを含む22カ国からの入国を一時停止したことで、同国を結ぶ路線も運航できなくなっていた。中国路線は売上の約5%、サウジアラビア路線は約15%をそれぞれ占めていたという。
 さらに、「大規模社会的制限(PSBB)」の実施地域などから発着する航空便の運行を禁止する運輸大臣令が4月24日から適応されると、国際線に加えて国内線も順次停止に追い込まれた。ただ、ブディ・カルヤ・スマディ運輸相は27日、ビジネスマンの国内移動を目的とした便の運行を一日1~3便、条件付きで認める方針を示しており、同社では国内線再開に向け、政府と協議を行っている。(リリス・イラワティ、高地伸幸)

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