海外渡航者に自主隔離命令 西ジャワ州カラワン 入国日から14日間
西ジャワ州カラワン県は17日から、同県で働く外国人とインドネシア人のうち、新型コロナウイルスの感染者が確認されている国・地域から入国した人を対象として、最大14日間の自主隔離命令を適用した。
じゃかるた新聞の取材に、同県の保健局担当者が明らかにした。
同県にはカラワン工業団地(KIIC)やスルヤチプタ工業団地など、工業団地が複数存在。大手日系自動車メーカーをはじめ、日系製造業が数多く拠点を構えており、17日に通達された自主隔離命令によって、日本からの出張者受け入れのほか、駐在員のビザ更新や一時帰国など、影響が広がるのは避けられそうにない。
インドネシア入国日から起算して14日間が自主隔離の期間となる。
隔離期間中は同県が用意する専用の用紙に、体温や息切れ、喉の痛みの有無などを毎日記録することが義務付けられる。隔離期間終了後に用紙を医療機関に提出。さらに診断のうえ、問題がないと判断されれば外出や就労が許可される仕組み。コロナ感染の疑いがあれば、より精密な検査が可能な医療機関への入院が必要になるという。
同県保健局の担当者によると自主隔離を行う場所ついては指定しておらず、同県内の自宅やホテルでも可能。隔離の対象となる入国元の国・地域については明確な規定がないが、「世界保健期間(WHO)が公表している感染国に準ずる(同担当者)」という。
新型コロナウイルスの水際対策については、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が「都市の封鎖(ロックダウン)実施の判断を各地方政府の判断に委ねる」と15日に述べたものの、翌16日に撤回した経緯があり、その場当たり的な対応に批判が集まっていた。
同県保健局の担当者は「政府の方針が二転三転している。コロナウイルスを断固として県内に入れないことが我々の唯一の目的だ」と話し、県が独自に海外渡航者の自主隔離実施に踏み切った意義を強調した。同担当者によると、17日時点で西ジャワ州では10人が感染しているが、同県では感染者はまだ出ていないという。(カラワン、高地伸幸、写真も)