感染者女性1人が死亡 新型コロナウイルス 国内初、バリで
保健省は11日、新型コロナウイルスの感染者1人が死亡したと発表した。関係者によると、バリ州デンパサール市の病院に入院していた53歳のイギリス国籍の女性とみられる。インドネシアで感染者の死亡が確認されるのは初めて。
11日未明、デンパサール市のサンラ病院で死亡が確認された。女性は10日までに感染が確認されており、保健省は「(国外で感染し)輸入されたケース」だとしている。新型コロナウイルスの感染前に、糖尿病や慢性閉塞性肺疾患などを患っていたという。
また保健省は11日、国内で新たに7人の感染が確認され、感染者数は累計34人になったと発表した。この7人はいずれも国外で感染し、インドネシアで確認されたケースだとしている。
国内の新型コロナウイルス感染をめぐっては、インドネシア政府が2日、西ジャワ州デポック市在住の2人で初めて確認したと発表。今後の感染拡大も懸念される。
■フォーミュラE中止に
地元メディアによると、アニス・バスウェダン・ジャカルタ特別州知事は11日、6月に予定されていた電気自動車(EV)世界選手権「フォーミュラE」の開催を延期すると発表した。
海外から多数の訪問者が来ることで、州内での感染が拡大すると懸念。「ジャカルタ市民の健康を最優先する」と説明した。主催組織とも延期で合意しているという。
ジャカルタ特別州政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、州内での大規模イベントを中止、延期させる方針をとってきた。フォーミュラEはモナス(独立記念塔)での開催に反対する政府機関と協議を重ね、実施許可取得までこぎ着けていた州政府「肝いり」のイベントだったが、感染拡大を受け延期せざるを得なくなった。延期後の開催時期は未定だ。(大野航太郎)