第11期生72人が帰国 大使館を表敬訪問 日本語パートナーズ
インドネシア各地の高校などで日本語教育を支援する国際交流基金の「日本語パートナーズ」派遣事業の第11期生計72人が、約6~7カ月の任期を終えて6日に帰国する。5日、第11期生のメンバーは、中央ジャカルタの日本大使館を表敬訪問。任地での体験談を発表した。
ロンボク島に派遣された瀬戸響さん(22)は、下宿先の人からギターの弾き方を教わり、音楽を通じてインドネシア人と交流した体験を話した。コードの押さえ方などの基本から教わり、「指がちぎれそうになるまで」練習。最終的には授業で日本の歌を弾き語りで披露するまで上達した。「インドネシアの人は音楽や絵など誰もが特技を持っている。そんな姿を見て自分も練習を頑張れた」と話した。
佐藤彩羽さん(23)はジャカルタ特別州に派遣された。「大自然と触れ合う生活を想像していたので、ジャカルタ派遣が決まった時は正直に言うと嫌だった」。しかし、実際に生活してみると大量高速鉄道(MRT)などの交通機関が整備されていたことで、他の日本語パートナーズとも頻繁に会うことができ、仲を深めることが出来たという。また、「滞在先のホテルと派遣先の学校が近かった事もあり、移動時間を気にせずに、たっぷり授業をできた」と振り返った。
ランプン州に派遣された大原康子さん(22)は、「駐在員など日本語パートナーズ以外の日本人とも連携できれば、より幅広く日本の事を教えられるのでは」と提起した。それに対して石井正文・駐インドネシア日本大使は「連携しやすいよう、どの州に日本語パートナーズがいるのか(在留邦人にも)分かるよう、なんらかの仕組みを作りたい」と話した。
■事業継続に意欲
日本語パートナーズ事業では、19年度までに714人をインドネシアに派遣してきた。外務省の事業計画では、同事業は20年度で終了予定。しかし、国際交流基金では、21年度も約150人の派遣を準備するなど、事業継続に意欲を見せている。
国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの高橋裕一所長は「派遣先の学校や州の教育担当から『日本語パートナーズのお陰で生徒の日本語学習の意欲が高まった』という声を耳にする。これからも日イの草の根交流が続けていきたい」と述べた。
石井大使は「日本に帰った後、日本語パートナーズの良さを広めて欲しい」と帰国を控えた第11期生に呼び掛け、事業継続に期待を込めた。(高地伸幸、写真も)