日イのサッカー選手応援 バリ在住邦人 ウェブサイト立ち上げ
国をわたり、挑戦するサッカー選手を応援したい——。インドネシアのリーグでプレーする日本人選手、日本で活躍するインドネシア人選手の情報を発信するウェブサイトが立ち上がった。発起人でバリ島在住の齋藤竜太さん(43)は、「国内リーグが健全化していき、これから両国で活躍する選手はもっと増える。インドネシアで働く日本人にも一緒に応援してほしい」と話す。
サイトの名前は「サムライ・ボーラ」。昨年6月から更新を始めた。日本人選手の紹介やインタビュー、試合レポートなどが掲載されている。現在は日本人向けのコンテンツが主だが、今後はインドネシア語でJリーグの情報やインドネシア人選手のインタビューなども掲載する方針だ。
齋藤さんは千葉県出身。幼少期からサッカーに明け暮れたが、プロにはなれなかった。高校卒業後オーストラリアなどをわたり、2000年ごろからバリに在住。地元の子どもに向けたサッカー教室や、Jリーグ所属クラブがインドネシアで行うサッカー交流事業の支援を行ってきた。
10年ごろからは、インドネシアでプレーする日本人選手のサポートを行ってきた。だが当時の国内リーグは、給与の未払いなどが横行する「暗黒の時代」だった。「給与が半年間払われず、帰らざる得なかった日本人選手もいた。困っている選手を見かねてチームとの支払い交渉に行ったこともある」
混迷は続いた。15年には青年スポーツ省が一部チームを複数のオーナーが所有していることなどを問題視し、国内サッカー協会の活動を凍結、リーグが休止状態に陥った。
さらに国際サッカー連盟(FIFA)がこの措置をサッカー協会への「政治介入」とし、代表チームの国際大会への出場を停止する処分を課した。
その後健全化が図られ、16年にはリーグの凍結、FIFAの制裁が共に解除された。17年には現在の「リーガ・インドネシア」が設立され、今年は日本から中村駿介選手と、松永拓也選手がプレーする。
齋藤さんは「インドネシアのサポーターの熱が日本人選手をひきつけている。リーグが健全化されれば、これからもっと選手は増えていく。代表選手がプレーする時代も来るかもしれない」と期待する。さらに「インドネシアのレベルが上がれば、日本で活躍できる選手も増える」
齋藤さんが選手をサポートするのは、「サッカー選手になる夢を叶えられなかったから」だ。「自分の他にも、かつてサッカーに夢中になった人はたくさんいるはず。海外に出て挑戦する選手たちを応援してほしい」
サイトのURLはhttps://samuraibola.com/。(大野航太郎)