電動タクシー事業開始 グラブ SB投資「具体化」
配車大手グラブは27日、スカルノハッタ国際空港(バンテン州タンゲラン市)第3ターミナルで、現代(ヒュンダイ)の電気自動車(EV)「アイオニック・エレクトリック」20台を使用するタクシーサービスを開始した。空港外への移動で、グラブ公式アプリケーションから利用できる。昨年ソフトバンク・グループの孫正義会長兼社長が表明したインドネシアへの電動車関連投資が「具体化」した形だ。
サービス名は「グラブカー・エレクトリック」。グラブの配車サービスは通常、利用者の現在地に車を手配するが、このサービスでは第3ターミナルに専用のピックアップポイントを設けた。運賃は通常より10%~15%割高になるという。
グラブの電動車事業をめぐっては、同社に出資するソフトバンク・グループの孫会長兼社長が昨年7月、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領との会談時に20億ドルの投資を表明、国内の電動車普及を支援するとしていた。グラブ・インドネシアのリズキ・クラマディブラタ社長は同サービスを、「ソフトバンクからの資金を使ったEVエコシステム支援の具体的な形」だとコメントとしている。
空港外への展開も含め、今後規模を拡大する方針だ。リズキ社長は「今年末までに、グラブカー・エレクトリックで合計500台の導入を目指す」という。
グラブと現代自グループは東南アジアでの電動車普及を目指して連携。2018年に現代自グループが2億5千万ドルをグラブに出資している。(大野航太郎、リンダ・シラエン)