「通勤短縮も、ガタガタ」 チカンペック高架道 邦人の声
チカンペック高速道路の高架部分(西ジャワ州チクニル~西カラワン間、36・4キロ)の供用開始から、15日で1カ月を迎える。ジャカルタ東部地域の会社に勤務する邦人の間では「渋滞が緩和された」という声が聞かれる一方、路面の劣悪さを指摘する人もいる。
日系製造業に勤務する堤康幸(45)さんは、西ジャワ州ブカシ県チカランの自宅からカラワン県までの通勤で利用。1時間かかった道のりだが、高架の開通以降は約30分短縮されたと話す。
「最近は早く着きすぎてしまい、車の中で寝ることもできないですね」と笑った。
同州カラワン県の消費財メーカーに勤務する男性は、中央ジャカルタにある自宅との通勤時間が短縮された一方で、路面の凸凹が激しいと指摘する。「(ガタガタ揺れて)スマホで文字を打つのも難しい」と話した。
11日、記者は取材の為に高架道路でカラワン県に向かった。週末だったこともあり渋滞はなく、常に時速80キロ程度で走行し、約1時間半で西カラワンの料金所に辿り着いた。一方、路面の凸凹で車は小刻みに振動し、道路の継ぎ目の上を通過するたび、車は上下に「ガタン」と揺れた。乗り物酔いしやすい人は注意が必要だ。
同高架道路は国営建設ワスキタ・カルヤが建設した。乗用車や小型のトラックなどが走れるが、バスや大型のトラックは通行できない。
ジャサマルガ広報担当者によると、同高速道を利用する乗用車の約40%が高架部分を走っている。13日時点で利用料金は無料だが、高速道路調整機関(BPJT)と協議の上、有料化する予定。運賃は1キロ当たり1200~1400ルピア程度になる見込み。
■波打つ道路、大丈夫?
高架道路の供用が開始される前後、波を打つように上下に傾斜する高架道路の写真が、複数の地元紙に掲載された。インターネット上では、高架道路の傾斜部分を画像加工ソフトなどで強調したホークス(偽情報)が出回り、在留邦人の間でも、SNSなどで高架道路の安全性を心配する声が聞かれていた。
地元メディアによると、高架道路の建設責任者で国営建設ワスキタ・カルヤのバンバン・リアント氏は「傾斜部分も含めて最低110メートル先が見えるように設計されており、法定最高速度の時速80キロで走行しても、安全上の問題はない」と話した。(高地伸幸)