求人、63社263件に増加 特定技能、5701人が求職 インドネシア政府サイト
東京のインドネシア大使館で13日、4月新設の日本在留資格「特定技能」に関するビジネスセミナーが開かれた。労働省は、政府運用のマッチングサイト「労働市場情報システム(IPKOL)」で、日本の63社が263件の日本での求人を登録、インドネシア人求職者5701人が登録していることを明らかにした。登録企業は、11月27日時点の説明の25社から増えた。
イダ・ファウジヤ労働相がセミナーで講演。特定技能で、日本政府が掲げる受け入れ目標34万5千人のうち「2割に当たる7万人の労働者の送り出しが目標」と改めて表明。「日本での受け入れ企業が増えれば、インドネシアの求職者(失業率)の問題を抑えられると思う」と期待を表した。
インドネシア政府は、特定技能の求職者、受け入れ企業に対し、IPKOLへの登録を推奨。受け入れ企業と求職者が直接マッチングすることで、悪質業者を排除する方針だ。
労働省によると日本の登録企業の求人は、10日時点では、介護分野が最多、電気・電子・情報関連産業、外食業の分野が続いた。
求職者5701人のうち、日本語能力試験の級は基本的なN4が1人、N3は4人、N2は1人、最高度のN1は1人にとどまる。大半が日本での在住経験のない新規求職者。地域では中部ジャワ州が最多で1895人、続く北スマトラ州が895人、東ジャワ州が750人と続いた。
同省のロスティアワティ労働市場開発局長は、求職者の日本語能力の向上を課題に挙げた。受け入れ企業には6月に締結した日イの協力覚書に基づき、IPKOL利用を呼びかけ「日本のハローワークと同様のシステム」と説明した。
同省などは、覚書締結の当初、受け入れ企業のIPKOL利用を「必須」としていたが、労働者派遣保護庁(BNP2TKI)は現在、「奨励」すると述べ、弾力的に対応している。
労働省は取材に、企業や求職者の中にはIPKOL利用が難しい場合があり、早期の送り出しのために、IPKOL以外でのマッチングも可能にしたと説明した。悪質業者の排除については、仲介業者の管理を政府が強化することで、防ぐ考えを示した。