政府仲介サイト利用は「奨励」 特定技能でインドネシア  「必須」から弾力的運用に

 4月に新設された日本の在留資格「特定技能」に関し、インドネシア労働者派遣保護庁(BNP2TKI)は、政府の同国人就労希望者向け求人仲介サイトについて「使うことを奨励する」方針を示した。「必須」としていた従来説明よりも弾力的な運用といえる。11月27日に都内の在日インドネシア大使館で開かれたセミナーで明らかにした。

 6月に日本と協力覚書(MOC)を交わした段階では、イ当局者は、仲介事業者による保証金の徴収、違約金、人権侵害に関わる行為を抑制する仕組みとして、サイトへの登録を確認すると、じゃかるた新聞に説明していた。
 サイトは「労働市場情報システム」(http://ayokitakerja.kemnaker.go.id)。
 同庁のフェディー・パンガブアン国際協力部長は、「政府が運用する求人仲介サイトは、求職者と求人情報のデータベースなので使うことを奨励する」と述べた。
 しかし「就労希望者は政府の仲介サイトを通じずに企業と契約しても問題はない。日本の受け入れ企業は求人情報をどこに掲載してもいい。インドネシア政府が仲介するサイトのほか、日本のハローワークや求人サイト、SNSなどで求人を出してマッチングをしてもいい」と話した。
 一方で「SNSの情報の中には「偽の情報や(高額な)料金を請求する情報もある」として、偽情報に「政府は責任を取れない」と強調。求職者らには、同庁に直接問い合わせるよう勧めた。

■日本企業登録25社
 インドネシア政府の仲介サイトは、従来から政府が運用し、海外の求人と求職者のデータをまとめている。アジアや中東の求職者を中心に、全登録者は7千に上るが、日本企業の登録は約25社にとどまっている。
 インドネシア政府は6月に日本政府と締結した協力覚書で、仲介サイトで求人を確認することなどを明記。日本企業にサイト利用を呼び掛けた。仲介サイトで企業と求職者が直接マッチングできる仕組みをつくり、政府が情報を一元管理し、中間業者を減らしたい意向を示していた。
 一方で、サイトは英語とインドネシア語の表示のみ。日本の中小企業が直接、サイトにアクセスし、情報を提供、マッチングに至るには困難が伴うとして、受け入れ側やイ国内の事業者から疑問の声が出ていた。
 イ政府は、ユーチューブの動画(https://www.youtube.com/watch?v=flFDNuwydRc&feature=youtu.be)で、仲介サイトの使い方を解説している。企業が情報を登録すると、該当する求職者のデータを見ることができ、メールで連絡を取ることもできるとしている。
 大使館のボブ・フェリックス・トビン公使参事官によると、特定技能のビザに必要な大使館からの「推薦状」の取得には、特定技能の候補者が、政府の労働者情報サイト「SISKOTKLN」で各種データをアップロードし、e—IDを取得する必要がある。受け入れ側の支援計画は「概要のみ提出すればいい」(ボブ氏)という。手続きは同庁のサイト(http://www.bnp2tki.go.id/berita-detail/faq-ssw-jepang)で確認できる。

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