発煙弾が爆発 ジャカルタ・モナス広場 兵士2人重軽傷
中央ジャカルタのモナス(独立記念塔)広場で3日午前7時20分ごろ、不審物が爆発、ジョギング中の国軍兵士2人が重軽傷を負った。ジャカルタ警視庁などによると、爆発したのは発煙弾。誰が置いたのかを調べている。
前日には、広場でイスラム保守派の集会が行われ、警備のために治安部隊が配置されており、関連も調べているもようだ。発煙弾は、国内では通常、警察や国軍が使用する。
警察によると、現場は広場の北東部。兵士がポリ袋に入った不審物を見つけ、手に取っていたところ、爆発が起き、左手首を吹き飛ばされたほか、首や胸、足を負傷した。近くにいたもう一人の兵士も手足を負傷した。2人は病院に搬送され、意識はあるという。
現場は、メダンムルデカウタラ(北独立広場)通りを挟んで向かい側に内務省、数百メートル西側にはイスタナ(大統領宮殿)があり、一帯は、ふだんから厳重な警備が敷かれている。2日には、イスラム保守・強硬派の約1万2500人(警視庁調べ)の集会が開かれ、警備のため、警官だけで約5千人が周辺に配備されたほか、国軍部隊も動員されていた。
■観光の邦人の姿も
爆発を受け、同通りなどで一時交通規制が行われた。正午ごろ、モナス広場には入場制限などは行われず、観光客の姿が見られた。
午後2時ごろには、出張でジャカルタを訪れ、モナス観光に来た40代の日本人会社員女性の姿も。「ニュースで爆発のことを知っていたが、恐る恐る見に来た。(地元の)子どもが広場の中でお昼ご飯を食べているのを見て、大丈夫だと思った」という。
ジャカルタ特別州清掃局員のデデンさん(29)は午前7時ごろ、広場の西南部で仕事中に「パン」という破裂音を聞いたが「どうせ大通りでバイクがパンクしたんだろう」と思い、仕事を続けた。4人の同僚も、気に留めなかった。爆発は、休憩中にスマートフォンでニュースを見て知ったという。
(米元文秋、大野航太郎、高地伸幸)