年50~100人送り出しへ イ看護訓練高校協会 特定技能などで日本に

 看護師が所属する「インドネシア看護職協会」と、看護を学ぶ高校や専門学校でつくる「看護訓練高校協会」、両協会をサポートする登録支援機関「パイピーテーピ(Paipea te-pi)」(茨城県)の関係者が22日、東京の在日本インドネシア大使館を訪れ、4月新設の在留資格「特定技能」の人材マッチングの流れを確認した。高校協会は、特定技能の介護職を中心に年間50~100人を日本に送り出す意向だ。

 約460校が所属する高校協会のシンギ・プルノモ会長は、特定技能に関し、日本の約10業者から人材供給の提案を受けた。「(インドネシア人を)日本へ送るために、まずは料金を先に払ってほしい」という業者もおり、パイピーテーピ以外には、具体的な提携に進まなかったという。
 シンギ氏は、特定技能をめぐり、さまざまな情報があるため「正確なことを知りたい」と大使館で確認を求めた。特に、インドネシア政府が運営する特定技能のマッチングサイト(IPKOL)が議題に挙がった。
 大使館側は、海外から来日するインドネシア人を対象にしているIPKOLについて、今後日本企業が分かりやすいように日本語表記を検討するなど、改良する考えを示した。
 シンギ氏は、IPKOLを通じることで、手続きが長期化することを懸念。企業間で人材を雇用する方がスムーズだと指摘。日本の受け入れ先については「1カ所の方がわかりやすい」と話し、企業の集約を要望した。
 高校協会所属の高校の卒業生は毎年約7万人に上る。日本語学科を持つ高校も多い。シンギ氏は「日本で働きたいという卒業生がたくさんいる」と話し、卒業生が日本語と技能の試験を経て、特定技能で日本に向かうことを期待している。パイピーテーピとは10月ごろに提携した。
■意欲示す中国の学校
 両協会と同機関は大使館を訪問後、都内の日本福祉教育専門学校を視察した。同校を運営する敬心学園の小林光俊理事長によると、介護福祉学科は2クラスで生徒は160人。うち外国人留学生は60人。国籍別では中国、ベトナムの順に多く、インドネシア人は現在5人にとどまっている。
 視察には中国の学校関係者も同行し「(自校は)年間1万2千人が卒業している。日本へ進学したい人が多い」と話し、積極的に協力を模索していた。
 小林理事長は「中国の留学生は、大学を卒業して入学し、(自国で)介護事業の起業家やリーダーになりたいという人がいる」と説明した。
 一方、ベトナム人留学生の一部には、高校卒業後に日本で働くために入学し「介護より楽な仕事をしたいと学校を辞める人もいる」と話した。
 インドネシア人については、高卒の入学者のほか、経済連携協定(EPA)で来日したが、国家資格に合格できず、いったん帰国した後に入学した生徒もいるという。
 生徒たちは教室で、高齢者の模型を前に「たんを取ってもいいですか。口を見せてください」と流ちょうな日本語で処置を練習していた。

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