戸建分譲を本格展開 南タンゲランに1200戸 阪急阪神不動産 合弁設立で覚書
阪急阪神不動産がインドネシアで、戸建住宅の分譲事業を本格化する。地場デベロッパーと合弁会社を設立し、来年からバンテン州南タンゲラン県チサウクに1200戸を建設する。コンドミニアム開発に続く案件で、ジャカルタ特別州で働く中間層の需要を取り込む。
同社は29日、中央ジャカルタで合弁設立の覚書(MOU)の署名式を開いた。
建設する戸建住宅は1~2階建て。1件当たりの土地面積は50~120平方メートルで価格は4億~16億ルピアの範囲に収まる。うち7億ルピア以下の住宅が全体の6割を占める予定だ。ジャカルタ中心部やバンテン州の商業地域で働く、年収1億~2億ルピアほどの会社員らが主なターゲットで、ベッドタウンとしての需要を見込む。
建設地はバンテン州の複合開発地域、ブミ・スルポン・ダマイ(BSD)シティーの南方に位置。首都圏専用列車(KRL、コミューター)のチサウク駅から5キロほどの地点に位置する。用地は15ヘクタールで、戸建住宅1120戸とルコ(住居付き店舗)80戸を建設する。来年から販売を開始し、21年12月以降に順次竣工していく予定だ。
阪急阪神不動産は近年、タイ、ベトナム、フィリピンを中心に海外での住宅開発事業を進めてきた。インドネシアにも駐在員事務所を置き、BSDシティーの高級戸建住宅「ザ・ゾラ」や、西ジャワ州ボゴール県スントゥールの分譲コンドミニアムの開発などに参画してきたが、現地パートナーが見つからず、自社主導で事業を進められていなかった。
合弁会社は阪急阪神不動産が49%、地場不動産開発ヌアンサ・ヒジャウ・レスタリが51%を出資し、近く設立する。阪急阪神不動産の戸田匡彦・海外事業本部長は「(インドネシアでの)二つ目、三つ目の(住宅開発)事業につなげ、海外事業の中心国の一つにしたい」と話した。(大野航太郎、写真も)