「先進インドネシア内閣」発進 大連立、政敵を国防相に 駐日大使がエネルギー相 ジョコウィ2期政権
ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は23日、第2期政権を担う「先進インドネシア内閣」として、閣僚ら38人を発表した。オンライン配車大手「ゴジェック」の創業者のナディム・マカリム氏を教育文化相に抜擢、人材開発を通じ、2045年に5大経済大国入りを目指す姿勢をアピールした。また、大統領選の対抗馬だった最大野党グリンドラのプラボウォ・スビアント党首を国防相に登用し、国会議席占有率約74%に達する大連立政権を樹立した。
■治安固める
穏健さを表看板とするジョコウィ氏が、他方で断行するパプア独立運動への強権的な抑圧や、イスラム武装集団摘発を統括する政治・法務・治安調整相にはマーフッド元憲法裁判所長官を充てた。治安政策の〝懐刀〟ティト・カルナフィアン国家警察長官で内務相を固めた。
ルフット・パンジャイタン海事調整相は、新たな職務を加えた海事・投資調整相とした。アリフィン・タスリフ駐日インドネシア大使をエネルギー鉱物資源相に選んだ。
女性閣僚では、世界銀行専務理事兼最高執行責任者(COO)を務めたスリ・ムルヤニ・インドラワティ財務相と、ルトノ・レスタリ・プリアンサリ・マルスディ外相を続投させ、国際的な政策の継続性を示した。拿捕したベトナム漁船などを爆破するパフォーマンスで知られた、スシ・プジアストゥティ海洋水産相は退任とした。
閣僚の中で最年少、35歳のナディム氏は「ミレニアル」世代の旗手と目される人物。旧来の官僚機構をコントロールしながら、スタートアップ実業家が育つ環境を整えていく手腕が問われる。アジア大会組織委員長と大統領選のジョコウィ陣営選対委員長を務めたエリック・トヒル氏は、国営企業相に引き上げられた。(米元文秋)