ゴジェック創業者入閣へ  「ミレニアル」ナディム氏 産業高度化の目玉に

 インドネシアのオンライン配車・配送大手「ゴジェック」の創業者で最高経営責任者(CEO)のナディム・マカリム氏(35)が21日、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領(58)の2期目の政権で閣僚に就任することを明らかにした。閣僚就任予定者として中央ジャカルタのイスタナ(大統領宮殿)で大統領と会談した後、記者団に述べた。どの閣僚に就任するかは語らなかった。
 デカコーン企業(企業評価額100億ドル超の未上場企業)を育てた、ミレニアル世代実業家のシンボルともいえる若手の登用となる。スタートアップ企業育成などによる産業高度化をてこにして、経済成長を加速させ、2045年に世界の5大経済大国入りすることを目指す政権の〝目玉〟としたい意向がうかがえる。
 ゴジェックは同日、ナディム氏のCEO退任を発表した。
 ナディム氏は米ハーバード大学経営大学院で経営学修士号(MBA)を取得。10年にゴジェックを立ち上げた。同社は15年に、スマートフォンのアプリを通じたオートバイの配車サービスを開始し、急成長した。
 ゴジェックは配車にとどまらず、「人・モノ・カネが動くソフトウエア・プラットフォーム」(ナディム氏)を担うIT企業となっている。飲食品宅配の「ゴーフード」、電子決済「ゴーペイ」など、拡大を続ける関連サービスは、邦人も含むインドネシアで暮らす人々の買い物や食事、美容、送金など、生活に広く入り込んでいる。約200万人の運転手を抱え、雇用創出に大きく貢献している。
 18年からは、ベトナムやシンガポールなど東南アジア諸国への進出を活発化させている。日本の官民ファンドの海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)はこのほど、ゴジェックに5千万ドルを出資したと発表した。
 ジョコウィ大統領は20日に正式就任した。イスタナに呼ばれたマーフッド元憲法裁判所長官によると、大統領は23日に閣僚を正式発表する予定だという。(米元文秋)

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